伝えを比べる

ギリシャ神話の親子関係300件を、 支えている作品の数で分けた。

「箇所が二つ」と「作品が二つ」は違う

典拠から引くの面は「この箇所だけが支えている主張」を数えている。 だが箇所が二つあっても、同じ作品なら著者は一人である。 アポロドーロスが二度書いているのは、二つの証言ではなく一人の二度の言及。 ここでは作品の単位で数える

ただし、一致は「独立した証言」ではない。 後代の集成は先行作品を読んでいる。アポロドーロスはホメロスを読んでいる。 二作品の一致が示すのは「二人が別々に見た」ことではなく、 その話が伝わったことである。

それでも数える意味はある。一致は伝承が続いたことを示し、 一つの作品しか述べていないものは、その一本が切れたら失われる。 いま210件がその状態にある。

「作品Bに無い」は否定ではない。収録した範囲の問題かもしれないし、 その作品が系譜を語らないだけかもしれない。 食い違いと呼べるのは、別の作品が違う親を明示しているときだけで、 それは9件ある(各人物のページに並べてある)。

作品ごとに、いくつの主張を支えているか

作品成立の推定引用元支えているその作品だけ
アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』後1〜2世紀ごろ89箇所198120
ヘシオドス『神統記』前8世紀末〜前7世紀初めごろ28箇所13976
ホメロス『イリアス』前8世紀後半ごろ14箇所259
ホメロス『オデュッセイア』前8世紀末〜前7世紀初めごろ12箇所215

成立の推定はこのサイトが確かめていない。年表と同じ断りが付く。

時代をまたいで一致しているもの

成立の推定が700年以上へだたる作品どうしが同じことを述べている主張が 78件ある。いちばん開いているもので830年(ホメロスとアポロドーロス)。

くりかえすが、これは独立の証言ではない。 後代の集成は先行作品を読んでいる。示しているのは、 その話が830年のあいだ書き継がれたということである。

  • アイネイアス アフロディーテ 830年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 3.12.2ホメロス『イリアス』 第2歌ヘシオドス『神統記』 1008–1010

  • ゼウス クロノス 830年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.2.1ホメロス『イリアス』 第2歌ヘシオドス『神統記』 453–491

  • アリアドネ ミノス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 E.1.8ホメロス『オデュッセイア』 第11歌ヘシオドス『神統記』 947–949

  • アイネイアス アンキセス 830年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 E.3.34ホメロス『イリアス』 第5歌

  • アガメムノン アトレウス 830年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 E.3.12ホメロス『イリアス』 第11歌

  • アキレウス ペレウス 830年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 E.3.14ホメロス『イリアス』 第1歌

  • アキレウス テティス 830年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 E.3.14ホメロス『イリアス』 第4歌

  • イロス トロス 830年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 3.12.2ホメロス『イリアス』 第20歌

  • ディオメデス テュデウス 830年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 3.10.8ホメロス『イリアス』 第5歌

  • テセウス アイゲウス 830年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.8.2ホメロス『イリアス』 第1歌

  • パトロクロス メノイティオス 830年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 3.13.8ホメロス『イリアス』 第9歌

  • ヘクトル プリアモス 830年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 3.12.5ホメロス『イリアス』 第15歌

  • メネラオス アトレウス 830年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 E.3.12、3.10.8ホメロス『イリアス』 第17歌

  • 大アイアス テラモン 830年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 3.10.8ホメロス『イリアス』 第15歌

  • アエロ タウマス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.2.6ヘシオドス『神統記』 265–269

  • アグライア ゼウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 907–911

  • アグライア エウリュノメ 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 907–911

  • アトラス イアペトス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.2.3ヘシオドス『神統記』 507–544

  • アルゲス ガイア 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.1.2ヘシオドス『神統記』 139–146

  • イリス タウマス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.2.6ヘシオドス『神統記』 775–806

  • ウラニア ゼウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 75–103

  • エイレネ ゼウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 901–906

  • エイレネ テミス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 901–906

  • エウテルペ ゼウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 75–103

  • エウノミア ゼウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 901–906

  • エウノミア テミス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 901–906

  • エウフロシュネ ゼウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 907–911

  • エウフロシュネ エウリュノメ 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 907–911

  • エウリュノメ オケアノス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 907–911

  • エニュオ ポルキュス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 2.4.2ヘシオドス『神統記』 270–294

  • エニュオ ケト 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 2.4.2ヘシオドス『神統記』 270–294

  • エピメテウス イアペトス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.2.3ヘシオドス『神統記』 507–544

  • エラト ゼウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 75–103

  • オキュペテ タウマス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.2.6ヘシオドス『神統記』 265–269

  • オケアノス ガイア 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.1.3ヘシオドス『神統記』 134–138

  • オデュッセウス ラエルテス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 E.3.12、3.10.8ホメロス『オデュッセイア』 第9歌

  • オレステス アガメムノン 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 E.2.16ホメロス『オデュッセイア』 第1歌

  • カサンドラ プリアモス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 3.12.5ホメロス『オデュッセイア』 第11歌

  • カリオペ ゼウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 75–103

  • カリス(三女神) ゼウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 907–911

  • カリス(三女神) エウリュノメ 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 907–911

  • カリュプソ アトラス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 E.7.24ホメロス『オデュッセイア』 第7歌

  • ギュエス ウラノス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.1.1ヘシオドス『神統記』 147–162

  • ギュエス ガイア 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.1.1ヘシオドス『神統記』 147–162

  • クレイオ ゼウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 75–103

  • クロノス ガイア 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.1.3ヘシオドス『神統記』 134–138

  • コットス ウラノス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.1.1ヘシオドス『神統記』 147–162

  • コットス ガイア 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.1.1ヘシオドス『神統記』 147–162

  • ステロペス ガイア 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.1.2ヘシオドス『神統記』 139–146

  • スフィンクス エキドナ この子の親は資料が割れている 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 3.5.8ヘシオドス『神統記』 306–332

  • タレイア(カリス) ゼウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 907–911

  • タレイア(カリス) エウリュノメ 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 907–911

  • タレイア(ムーサ) ゼウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 75–103

  • ディケ ゼウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 901–906

  • ディケ テミス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 901–906

  • テミス ウラノス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 134–138

  • デメテル レア 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.1.5ヘシオドス『神統記』 453–491

  • テルプシコラ ゼウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 75–103

  • ナウシカア アルキノオス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 E.7.25ホメロス『オデュッセイア』 第8歌

  • ネオプトレモス アキレウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 3.13.8ホメロス『オデュッセイア』 第3歌

  • ハデス レア 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.1.5ヘシオドス『神統記』 453–491

  • ブリアレオス ウラノス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.1.1ヘシオドス『神統記』 147–162

  • ブリアレオス ガイア 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.1.1ヘシオドス『神統記』 147–162

  • ブロンテス ガイア 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.1.2ヘシオドス『神統記』 139–146

  • ヘスティア レア 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.1.5ヘシオドス『神統記』 453–491

  • ペネロペ イカリオス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 3.10.6ホメロス『オデュッセイア』 第1歌

  • ペフレド ポルキュス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 2.4.2ヘシオドス『神統記』 270–294

  • ペフレド ケト 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 2.4.2ヘシオドス『神統記』 270–294

  • ヘベ ゼウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ホメロス『オデュッセイア』 第11歌

  • ヘベ ヘラ 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ホメロス『オデュッセイア』 第11歌

  • ヘラ レア 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.1.5ヘシオドス『神統記』 453–491

  • ヘリオス テイア 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.2.2ヘシオドス『神統記』 371–374

  • ヘレネ ゼウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 3.10.7ホメロス『オデュッセイア』 第4歌

  • ポセイドン レア 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.1.5ヘシオドス『神統記』 453–491

  • ポリュムニア ゼウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 75–103

  • ミノス ゼウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 3.1.1ホメロス『オデュッセイア』 第11歌

  • メルポメネ ゼウス 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.3.1ヘシオドス『神統記』 75–103

  • レア ガイア 800年へだてて一致

    アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1.1.3ヘシオドス『神統記』 453–491

  • アポロン ゼウス

    ホメロス『イリアス』 第7歌ヘシオドス『神統記』 918–920

  • ヘラ クロノス

    ホメロス『イリアス』 第8歌ヘシオドス『神統記』 453–491

  • ムーサ(九柱) ゼウス

    ホメロス『イリアス』 第2歌ヘシオドス『神統記』 36–52

  • アテナ ゼウス

    ホメロス『オデュッセイア』 第22歌ヘシオドス『神統記』 924–929

  • アポロン レト

    ホメロス『オデュッセイア』 第11歌ヘシオドス『神統記』 918–920

  • アルテミス ゼウス

    ホメロス『オデュッセイア』 第6歌ヘシオドス『神統記』 918–920

  • ヘラクレス ゼウス

    ホメロス『オデュッセイア』 第21歌ヘシオドス『神統記』 306–332

ここで比べているのは、このサイトが収録した4作品だけ。 ギリシャ神話の資料はこれよりずっと多い。ある主張を「一つの作品しか述べていない」と 書いてあっても、それは収録した範囲での話である。

典拠がまだ無い5件について。 よく知られている関係でも、収録した本文に見つからなければ空のままにしてある。 二次資料の要約を一次資料の代わりに引くことはしない。 そのうえで、なぜ無いのかを一件ずつ書いた。 収録した作品に見つからないが5件

これを型にしたのは、書いただけで満足した例が実際にあったから。 ネメアの獅子は、典拠の注記に「父はオルトロスであってテュポンではない」と書いてありながら、 親のほうはテュポンとエキドナのままだった。 どの資料もその組み合わせを述べていない。 いまは典拠の無い辺の集合と、理由の一覧が一致することを検証が要求する。 黙って増やせない。