トロイアの落城

2 / 10 章

2夜の斥候と、燃える船

この読み物の本文は、アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 摘要4 全7節、摘要5 全23節。ホメロス『イリアス』『オデュッセイア』の本文ではない。

腐食した金属のペンダント。二つの人体が重なった形が残るが、細部は失われている
6th–5th century BCE アキレウスの遺骸を運ぶアイアス(ペンダント) この章に出てくる人物の図像。場面は対応していない → この人物のページ
E.4.4

夜が来ると、ギリシャ勢はオデュッセウスとディオメデスを斥候に出した。二人はエウメロスの子ドロンと、トラキアのレソスを殺した。レソスはその前日にトロイア方の同盟者として着いたばかりで、まだ一度も戦に出ておらず、トロイア勢からも、ヘクトルからも離れたところに陣を張っていた。二人はレソスのまわりで眠っていた十二人も討ち、馬を船まで追っていった。

英文

And night coming on, they sent Ulysses and Diomedes as spies; and these killed Dolon, son of Eumelus, and Rhesus, the Thracian (who had arrived the day before as an ally of the Trojans, and having not yet engaged in the battle was encamped at some distance from the Trojan force and apart from Hector); they also slew the twelve men that were sleeping around him, and drove the horses to the ships.

E.4.5

明けてからは激しい戦いになった。アガメムノン、ディオメデス、オデュッセウス、エウリュピュロス、マカオンが傷を負い、ギリシャ勢は敗走した。ヘクトルは壁を破って内へ入り、アイアスが退くと、船に火を放った。

英文

But by day a fierce fight took place; Agamemnon and Diomedes, Ulysses, Eurypylus, and Machaon were wounded, the Greeks were put to flight Hector made a breach in the wall and entered and, Ajax having retreated, he set fire to the ships.

英訳の底本は アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』、J. G. Frazer 英訳 (1921)。 日本語は英訳からの参考訳で、ギリシャ語原典からの直接訳ではない。 節の下の人物リンクは読みに行く先の案内で、 英文が代名詞で受けている箇所は参考訳の読み取りに依っている。 この訳の素性と目次