トロイアの落城

7 / 10 章

7武具をめぐる争い

この読み物の本文は、アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 摘要4 全7節、摘要5 全23節。ホメロス『イリアス』『オデュッセイア』の本文ではない。

小さな鉛の板状の像。腐食が進み、輪郭と表面の凹凸だけが残っている
6th–5th century BCE 盾と槍とアイギスを持つ女神の小像 この章に出てくる人物の図像。場面は対応していない → この人物のページ
E.5.6

彼の武具も、最も勇ある者への賞として出された。アイアスとオデュッセウスが名乗り出て争った。裁いたのはトロイア勢だったとも、同盟者たちだったとも言われるが、選ばれたのはオデュッセウスであった。悔しさに心を乱したアイアスは、夜に軍への襲撃を企てた。アテナは彼を狂わせ、剣を手にしたまま家畜の群れのただ中へ向かわせた。錯乱した彼は、牛どもを牧人もろとも斬り殺した。アカイア勢だと思い込んでいたのである。

英文

Also his arms were offered as a prize to the bravest, and Ajax and Ulysses came forward as competitors. The judges were the Trojans or, according to some, the allies, and Ulysses was preferred. Disordered by chagrin, Ajax planned a nocturnal attack on the army. And Athena drove him mad, and turned him, sword in hand, among the cattle, and in his frenzy he slaughtered the cattle with the herdsmen, taking them for the Achaeans.

E.5.7

のちに正気に返ると、彼は自らを斬って死んだ。アガメムノンはその亡骸を焼くことを禁じた。イリオンで倒れた者のうち、棺に納めて葬られたのは彼ひとりである。墓はロイテイオンにある。

英文

But afterwards he came to his senses and slew also himself. And Agamemnon forbade his body to be burnt; and he alone of all who fell at Ilium is buried, in a coffin. His grave is at Rhoeteum.

英訳の底本は アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』、J. G. Frazer 英訳 (1921)。 日本語は英訳からの参考訳で、ギリシャ語原典からの直接訳ではない。 節の下の人物リンクは読みに行く先の案内で、 英文が代名詞で受けている箇所は参考訳の読み取りに依っている。 この訳の素性と目次